夫側が親権を取れるような状況での離婚は、日本では難しいとされております。
「子の福祉」という原則
親権者を決めるうえで最も重要とされるのが「子の福祉」というものです。
子供の親権をどちらが持った方が、より大きな子供の幸せにつながるのか?という観点から見て親権者を決めるという事です。
母親に親権が渡りやすいのは「子の福祉」
先日母親側に親権が行きやすいのは何故か?というポイントを上げましたが
そのポイントそれぞれを見て行けば、最終的には「子の福祉」に基づくものとなります。
簡単に言ってしまえば「子供が健全に成長する為に必要な環境」が揃っているかどうか?という1点に尽きることであり、
それを整えていれば例え父親側であっても親権は取りやすいと言えるでしょう。
妻の不倫が原因で離婚したのに、親権は取れない
「妻の不貞が原因で離婚の話が進んでいるのに、親権は取れないと言われました」
そんなご相談を頂くことがございますが、単に妻側の不貞が原因というだけでは前回、そして今回上部に記載した理由から父親側が親権を取るのは難しいと言えるでしょう。
それは、不貞は夫婦間の問題であり「子の福祉」に直接は関係しないと判断されているからこそです。
親権は子供のための権利であり、配偶者間で争う事ではありません。
子供が健全に成長する為にもっとも重要な点という部分を忘れてはなりません。
しかし、ここまで読んでお気づきの方はいるかもしれませんが
では不貞を行った妻が、「子の福祉」に基づく行動を取れていなかったとしたらどうなるでしょうか?
有責性が「子の福祉」に影響するケース
「子の福祉」はあくまでも子供の為の権利ですが、有責者側の子供に対する対応が養育に影響を与えている場合は親権に影響を及ぼす事もあります。
つまり、有責行為が子の養育に関連性があるとみなされるケースという事です。
具体的には
-相手に、配偶者を殴るといった暴力的傾向がある(DV)
-配偶者が子供よりも不貞相手を優先する傾向にある
以上のような離婚における有責事由は、養育に影響する可能性があると判断されることがございます。
配偶者に対するDV行為は、その暴力や暴言と居た行動が子供に対しても向けられる可能性を示唆しており
子供の養育にふさわしくないとされる可能性があります。
2つめの理由については、子の利益(子の福祉)よりも自分の利益を優先させる傾向にあると見られ
子の養育にふさわしくないと判断される可能性があります。
2回に渡って父親側が親権を取るにはどうすれば良いのか?という点について記述させて頂きましたが
つまり親権についてを言及する際に「子の福祉」という観点に基づいて掘り下げていく事で活路を見出すことは出来ます。
きっかけはあくまでもきっかけです。
当社ではそのきっかけを最大限に使う為にどうすれば良いか?までを考え、
そしてアドバイスやサポートを行うことが可能です。